市和歌山・小園 夢散…得意スライダー痛打 夏こそ「勝たせられる投手に」

 「選抜高校野球・2回戦、明豊2-1市和歌山」(26日、甲子園球場)

 2回戦3試合が行われ、プロ注目の右腕・市和歌山の小園健太投手(3年)が2番手で登板するも同点の七回に痛打され、明豊に惜敗した。東海大相模は苦しみながらも鳥取城北の反撃を退け、8強入り。福岡大大濠は延長十一回の死闘の末、具志川商を下してベスト8入りを決めた。

 何とか打ってくれ-。力投したエースの願いもむなしく、無念の2回戦敗退。最後の瞬間をネクストバッターズサークルで迎えた小園は、空を見上げ、そしてうつむいた。

 「自分自身と戦っているような最悪のピッチングをした。憧れてきた甲子園は、素晴らしい場所と同時に、すごく怖い場所だと感じました」

 出番は1点ビハインドの五回からだった。いきなり、先頭をこの日最速147キロの直球で見逃し三振に斬るなど入りは上々。六回には、相棒・松川のタイムリーで同点に追いついた。だが、迎えた七回2死三塁。代打・竹下に4球目のスライダーをはじき返され、痛すぎる勝ち越し点を献上した。

 試合後、明豊の校歌を聞きながら、松川に「ごめん。少し浮いた」とこぼした。バッテリーで納得して投げた1球。だが「(スライダーに)張ってくると分かっていた。あそこはカットボールにするべきだった」と後悔は消えない。絶対に負けられないという重圧と、聖地独特の雰囲気が制球力に定評のあるエースの手元を少しだけ狂わせた。

 それでも小園の目に涙はない。「勝たせられる投手になってここに戻ってきたい」。この悔しさは、最後の夏で必ず晴らす。

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