巨人・原采配の独壇場!NPB九回打ち切りで…西山秀二氏が分析

 今季のプロ野球は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延長戦は行われず、九回で打ち切りとなることが決まった。デイリースポーツ評論家の西山秀二氏に、延長戦がなくなったペナントレースについて聞いた。

  ◇  ◇

 延長戦がなくなったことで当然、投手起用は変わってくる。それに関しては巨人・原監督の独壇場だろう。今のプロ野球は「勝利の方程式」といった考えをする監督が主流で、勝っている試合では七、八、九回をそれぞれ1人の投手で、1回ずつまかなうことが多い。だが、原監督は違う。昨季、巨人はデラロサがストッパーを務めて17セーブを挙げていたが、九回のマウンドに送っても、調子が悪いとみるや、即座に交代を命じた場面もあった。

 私も2008年から3年間、巨人の1軍のバッテリーコーチだったが、そのときも同様だった。当時、160キロの速球を武器とするクルーンがストッパーだったが、制球が乱れて連続で四球を与えると、ちゅうちょなく代えていた。「勝利の方程式」にこだわる人ではない。

 同点で迎えた九回に、ストッパー投入をためらう監督は多い。残り時間とイニング数を考えてストッパーに加え、勝ち場面で投入できる投手2人、敗戦処理的な投手1人は残すだろう。だが、九回打ち切りとなれば、どのチームも九回を迎える時点で、ストッパーと敗戦処理の投手2人いれば十分である。ストッパーが抑えに失敗すればすべてが終わるが、逆に九回の投手起用法はどのチームも固定される。

 そうなると七、八回の投手起用がポイントになってくる。いい投手をちゅうちょなくつぎ込むしかない。だが、それだけにマウンドに送った投手の調子をどう見極め、どのような場面で交代させるかのタイミングは難しい。監督、ベンチの腕の見せどころだ。原監督はこの決断力に関してはセ・リーグNo.1で文句のつけようがない。

 昨季、巨人は2位・阪神に7・5ゲームの大差をつけて連覇を果たした。だが、スタメンの戦力に関しては他球団と比べて突出してはいない。原監督の選手起用に関する決断力=監督力で拾った勝ち星も多かった。九回打ち切りが決まり、原采配がこれまでに輪をかけてさえまくるような気がする。

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