元広島の正田耕三氏「目標は甲子園!」 京都成章のコーチとしてスタート

京都成章での指導初日、選手にアドバイスを送る正田氏(右)
京都成章高校野球部のアドバイザーコーチに就任した正田耕三氏
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 元プロ野球広島カープの内野手で、首位打者など3度のタイトルを獲得した正田耕三氏(59)が13日、京都成章高校野球部のアドバイザーコーチとして京都市西京区のグラウンドで始動した。

 今年2月、学生野球資格回復が認められ、念願の高校球児の指導が可能になった正田氏は「一生懸命に練習する選手の手助けができれば。頭でしっかり理解し、前向きに取り組む練習方法を考えたい」と抱負を語った。

 グラウンドには約80人の部員が整列。初顔合わせとなったナインに、「君たちが目指す甲子園という目的地へ向かって、私自身も本気で取り組んでいこうと思っている」と真剣な眼差しで訴えた。

 チームは昨年秋の京都府大会で初戦敗退。コロナ禍の影響も受け新チームの船出に失敗した。その原因を意思の疎通に欠けるまとまりのなさと受け止め、12月から週に2回、登校時間を30分早めて、主将を中心にしたリーダーズミーティングを開くようになった。

 内外野、走塁など複数部門に責任者を配置し、意見交換を行う。それを監督、コーチに伝えて解決策を探す。選手の積極性と自主性を求める指導法だ。

 4番を任される、嵓(いわお)康介捕手は頼りになるキャプテンだ。

 「僕たちは京都で一番弱いと思ってます。“底”からのスタートだと自覚して、はい上がっていくしかありません」

 正田コーチに対しては「実績と経験の豊富な人なので、技術だけでなく、いろんなことを教えていただきたい」と意欲をみなぎらせた。

 京都成章は春2回、夏3回甲子園に出場。1998年夏の大会で準優勝している強豪校だが、2017年夏を最後に甲子園から遠ざかっている。

 23年前、横浜・松坂にノーヒット・ノーランで敗れた悔しさは先輩から聞いて知っている。だからこそ、「甲子園に出て、日本一になりたい」と言う。

 今年のセンバツ大会には京都国際高校が出場。ライバルが増え、京都大会を勝ち上がるのが年々難しくなっている。専用グラウンドはなく、男女のラグビー部や女子ソフトボール部との兼用で制約は少なくない。

 松井常夫監督(56)は今回の正田氏の招請について、「プロでも社会人でも優勝を経験し、オリンピック(ロサンゼルス大会)でも金メダルを取っておられる。しかし、甲子園出場はなく高校の時だけ頂点に立っていない。そこに共感を覚える。甲子園への強い思いは選手たちも同じです」と力説し、同氏の手腕に期待を寄せた。

 夏へ向けて、どのような変化を見せていくのか。「京都で一番弱い」成章のこれからが楽しみだ。

  ◇  ◇

 正田耕三(しょうだ・こうぞう)1962年1月2日、和歌山市出身。市和歌山商から新日鉄広畑を経て84年度のドラフトで内野手として広島に2位入団。タイトルを3度(首位打者2回、盗塁王1回)獲得するなど好守に渡り活躍した。引退後は広島、近鉄、オリックス、阪神で中村紀、鳥谷、赤星、T-岡田らを指導。韓国リーグでもコーチを務めた。

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