マー君 ビッグオファー明かすもイーグルス愛で復帰決断【一問一答】【NPB】
米大リーグ・ヤンキースから8年ぶりに楽天に復帰した田中将大投手(32)が30日、東京都内のホテルで入団会見を行った。11年に発生した東日本大震災から10年を迎える節目のシーズンに、8年ぶりの古巣復帰を決断した経緯を激白。チームを13年以来の日本一へ導くとともに、開催が延期となった東京五輪での金メダル奪取を宣言した。
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(冒頭あいさつ)「秋季キャンプ前にこの忙しい中、このような場を設けていただき、ありがとうございます。このたび、楽天イーグルスに戻ることになりました。今シーズンは震災から10年、初めてフリーエージェント(FA)になり、チームを選べる立場になって10年という数字は何か自分にとって意味のあるタイミングなんじゃないかと思ったので今回このような決断に至りました」
-今の心境は。
「とてもワクワクしています。また皆さんの前でマウンドに上がり、日本の野球ファンの前に投げられるのでワクワクが抑えられない状態。7年離れていたので、成長した姿を見せることができたらと思います」
-FAになり楽天を選んだ決め手は。
「自分自身、フリーエージェントになった瞬間の考えを正直に話すと、ヤンキースと再契約してプレーしたい気持ちがありました。しかし、かなり早い段階で、代理人を通じてお話を聞いている中で、別々の道を歩んでいかないといけないと感じましたので、それ以降、さまざまなことを考えましたし、日本を含めて、本当に今まで考えたことがないくらい悩んで悩んで悩みましたが、どういう野球をしたいのか、どういう環境でしたいのかが一番でした」
(続けて)
「これからアメリカからどういうオファーがあったとか、お話(報道)が出てくると思いますが、コロナ禍で世界中が厳しい中、7年間向こうでプレーしたことをものすごく評価していただき、大きなオファーもありました。ですが、その中でも自分はイーグルスでプレーをして、日本の方々の前で投げるということを上回るものが最後までなかったので、こういう決断をしました」
-背番号18は。
「やはり18番をつけてキャリアをスタートしているので、エースナンバーという印象、イメージがあるので、ただ自分が背負っているからつけるというだけでなく、結果、姿で示していけたらと思っています」
-2年契約を選択した考え。
「2年という契約になっていますが、1年終わった段階で球団とお話をさせていただく機会を設けていただいておりますので、またどういうふうになるか分かりませんが、まだアメリカでやり残したことがあるとは思っているので、そこの自分の中での選択肢、オプションは捨て去りたくなかったのでこういう契約をしていただきましたが、決して腰掛けでなく、本気で日本一になりたいと心から思っての決断なので、生半可な気持ちではどの世界でも成功しない。まずは全力で戦いたいです」
-東京五輪への意気込みは。
「2020年開催ということでしたので、自分は出られない立場にあった中で延期になって。日本に帰ってきて出るチャンスがあることなので、選ばれるならば断る理由はないですし、出たいと思っています。前回、北京五輪に出ましたが悔しい思いで終わっていますし、また野球がオリンピック競技からなくなってしまう状況なので、自国開催ですし、金メダルを取りたいと思っています」
-東日本大震災の被災地への思い。
「今も一緒に頑張りたいという気持ちは変わらずありますし、近くにいられることでまた何かできることはたくさんあるかもしれない。できる限り協力してやっていきたいですし、まずは球場のマウンドでいい姿を見ていただけるように変わらず努力したいと思っています」
-ソフトバンク・柳田選手が復帰を「嫌だ」と言っている。
「柳田選手は同級生なんですが、記事にも書いてあったように直接お話したことないんですよね。対戦もあって、2013年も5割を打たれていますし、リップサービスじゃないですか(笑)」
-野村監督、星野監督へどう報告するか。
「また帰ってきましたと、シーズン後は『日本一になりました』とご報告をできたら一番いいかなと思っています」
-メジャーで13年の興奮を超える、やりがいを感じたことは。
「舞台が違うので単純に比べることはできないが、同じような興奮、やりがいを感じた年はありました。(13年は)自分の野球人生の中で大きな出来事であったことは間違いないし、アメリカで7年プレーしてましたが毎年、登板前に自分のモチベーションや集中力を上げるビデオがあり、7年間ずっと日本一の瞬間の部分は入れていただき、毎試合それを見てゲームに入っていたのでそういうところからご理解いただけたらと思います」
-こだわりたいタイトル、数字は。
「こだわりたいタイトルは日本一です。自分のいい投球をしていればそういう数字はおのずとついてくると思いますが、正直、2013年で皆さんの印象が止まっていると思うので、求められているハードルは高いという風に思っていますが、それもまた、飛び越えてやるというやりがいのひとつでもありますし、1試合でも多くチームの勝利をもたらす投球ができたらと思います」