筑波大・佐藤隼 96年・杉本友以来の国立大ドラ1へ、MAX151キロ左腕
2021年のドラフトは、高校生だけじゃない!豊作と言われる今年のドラフト戦線。現時点でNPBの球団から上位候補として名前が挙がるのは、市和歌山・小園や高知・森木、大阪桐蔭の関戸&松浦など高校生投手ばかりだが、大学、社会人にも逸材はいる。その中から今回は1位候補として、今秋のドラフトの中心になる可能性がある3投手を紹介する。
◇ ◇
史上2人目の存在を目指す。最速151キロ左腕の筑波大・佐藤隼輔投手(3年・仙台)は公立高校時代にスカウトの注目を集めながら、プロ志望届を提出せず。「4年後にドラフト1位で」と野望を明確に掲げていた。
国立大学からのドラフト1位は、96年ドラフトでオリックスに入団した筑波大・杉本友だけ。先輩以来の快挙を目指す佐藤隼は、「名前として残るというのはすごく光栄なこと。特別意識するわけではないですけど、なれたらいいな」と周囲の期待にも気負いはない。
しなやかな投球フォームが天性の才能の表れだ。同大学の准教授で動作解析の第一人者・川村卓監督(50)も認めるのが、セットポジションから右足を上げた時の“重心の置き方”。ぶれない立ち姿に、「ちょっと教えられないところだと思っています」と目を見張る。DeNA・今永のような無駄のないフォームは野球を始めて以来、大きく変えられたことはないという。
2年春の終わり頃、球速が一気に上がった。飛躍した要因は2つ。指揮官が確立したジャンプなどの瞬発系トレーニングと、リリース時に力を一点に集中させるコツをつかんだことがきっかけだ。最速は大学入学当初から7キロアップ。直球とキレ味鋭いスライダーとのコンビネーションで打者を牛耳り、ドラフト戦線の主役をうかがう。