悔しさバネに逆襲誓う広陵 今年の目標は「甲子園・夏・日本一」

 春夏通算47度の甲子園を出場を誇る広陵(広島)。昨秋の広島県大会では準々決勝で敗れ、今春のセンバツ出場はならなかった。夏の甲子園も18年から2年間遠ざかっている。

 逆襲に燃える2021年。広陵のグラウンドには、厳しい寒さにも負けず、黙々と練習に取り組むナインの姿があった。対外試合が解禁される3月までは「暖かい冬」をチームのスローガンとして掲げている。蜷川大主将(2年)は「寒いのはきついが、笑顔を絶やさずポジティブに、気持ちを熱くやっていこうという意味があります」とキャッチフレーズの意図を説明する。

 今年は例年以上に実戦で結果を残した選手を起用する方針を中井哲之監督(58)は明言している。「同じ実力の子がたくさんいる。さらに伸びると思うし、チャンスをあげて、どんどんいいものを引き出していきたい」。突出した選手はいないが、紅白戦などの実戦形式を多く取り入れ、激しい競争を促すことで総合力を高めていく狙いだ。

 昨夏の広島県代替大会は決勝で広島商に1-9で敗れ準優勝。昨秋の県大会もライバルの広島新庄に準々決勝で2-9のコールド負けを喫した。「あまりにもらしからぬエラーがあった」と思わぬ大敗に首をひねった中井監督だが、「得点差ほど実力の差はない。悔しさをバネにやるしかない」と、雪辱を誓うナインを叱咤(しった)してきた。

 校内のスコアボードには悔しさを忘れないために広島新庄に敗れた試合のスコアが刻まれている。その横には「甲子園・夏・日本一」という意味の語呂合わせで「5040721」という数字も掲げている。中井監督は「守備が良くなれば、十分夏は狙える」と自信をのぞかせる。

 コロナ禍により中止となった昨夏の選手権大会を振り返り、「今までどれだけ幸せだったのかということを思い知らされた。こういう大変な時に野球の指導に携われて良かったなという監督人生にしたい」と指揮官。18年以来となる夏の甲子園出場へ向けて、広陵ナインは厳冬の中、鍛錬を続けていく。(デイリースポーツ・赤尾慶太)

 【2020年の広陵VTR】

 ◆夏の広島県代替大会 2回戦から出場。準々決勝で広島新庄との乱打戦を9-8で制すと、準決勝の高陽東戦でも打線が打ちまくり、18-2で圧勝した。広島商との決勝は、相手先発の広島の前に打線が沈黙し、1-9で敗れた。

 ◆秋の広島県大会 1回戦で呉商を10-0で下すと、2回戦の尾道戦では終盤に粘りを見せ、5-4でサヨナラ勝ちした。準々決勝は広島新庄と対戦。先制点を奪うも、失策など守備のミスが響き、2-9で七回コールド負け。3年連続で中国大会出場を逃した。

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