巨人 2人の若き指導者に「名コーチ」への期待感「愛情を感じる」内田順三氏の視点

 プロ野球はオフシーズン。来季へ向けた戦力補強が着々と進んでいるが、選手を生かす指導者の存在も重要になる。数多くいる指導者で、どういった人材が「名コーチ」となるのか。昨年まで巨人、広島で37年間指導者を務め、名伯楽と呼ばれる内田順三氏(デイリースポーツウェブ評論家)の視点で、「印象に残るコーチ」について聞いた。

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 多くの指導者に出会ってきたので挙げればキリがないが、自分が教えを受けたコーチでは中西太さん(ヤクルト時代)に多大な影響を受けた。のせ上手、指導上手で気づかない間に100球を打っていた。1から10まで細かいことは言わず、ポイントを伝えてくる。少々わけが分からなくても、多く振ることで質がよくなってくる。私の持論に「量で質を作る」という言葉があるが、中西さんの指導はまさにそれだった。

 最近の話をすれば、川相も熱意を感じられた指導者。巨人のヘッドコーチ、2軍、3軍監督として、アマチュア的な指導で目線を下げ、走塁や守備の緻密な部分を若手に徹底的に植えつける。外野守備でファンブルするようなら、内野を守らせて徹底的にノックを打っていた。今年1軍で活躍した松原、増田大も川相に鍛えられた選手たちだからね。

 現役コーチの話をすれば、広島の朝山(現1軍打撃コーチ)も印象に残る人材。私が2軍監督をしていた時に2軍の打撃コーチをしていたが、熱心だった。練習方法や指導スタイルもよく考えていて、選手に近づき、強く言うべきところは言う。現役時代はレギュラーになれそうで故障に泣いた男だけど、「これはいいコーチになる」と思わせた。

 巨人では、片岡。指導者の中には自分をアピールしようと「魅せるコーチング」をするのもいるが、片岡にはそういった面がなく選手と向き合う。自分がファームで巡回コーチをしている時も、ひとりの選手に付きっきり、湯浅なんかを一生懸命マンツーマンで教えていたよね。走塁や守備の教え方を聞いていると、「なるほどな」と思わせることも多いし、勉強熱心な一面も備えていた。

 村田修一も楽しみな指導者のひとり。彼は実績をひけらかして話をするようなことはないし、ふてぶてしいように見えるかもしれないが、見た目と違って、教え方に愛情を感じるコーチだった。理論も持っていて、練習方法などアイデアマンでもある。来季は1軍に上がるようだが、左の石井琢朗、右の村田で教え方のレパートリーも増えるだろう。村田にしても、1軍投手コーチになる杉内にしても外様として巨人に入ってきているから、いい意味で違う空気も入れられるんじゃないかと期待している。

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