イチロー氏「死ぬかと思った」震災を経て優勝 振り返る「がんばろうKOBE」

 米大リーグ、マリナーズなどで活躍したイチロー氏(47)が26日、神戸市内で開催された日本新聞協会主催の「第73回新聞大会」での記念講演に出演した。オリックス在籍時で阪神・淡路大震災が発生した1995年と96年のリーグ連覇の当時を振り返った。

 「初めて死ぬかもなと思った瞬間でした」。阪神・淡路大震災発生時はイチロー氏は当時、神戸市西区の寮で生活。発生の瞬間は、何が起きたか把握できなかった。

 「まずドカーンといったんです。早朝だから訳が分からなくて。何かが突っ込んだと思ったんです。そうしたら揺れ出した。地震だ、と。とても立っていられなくて、布団かぶって丸まっているしかできない状態」と思い返した。

 すぐに下着姿のまま寮の食堂へ。すると、寮で生活していた他の選手も同様に集まって来た。「集まりたかったんですよね、みんな」とイチロー氏。ただ、1人連絡が取れなかった人物がいたという。「現オリックスの監督、中嶋さんなんです。家にいたみたいで。『寝てたって』。大物になりますよ」と当時を述懐した。

 神戸の街を襲った甚大な被害。同時に春季キャンプが約2週間後に迫っていた。「キャンプが2週間後で集まれるのか、宮古島に。いや無理だろうなと思ったんですけど、みんな集まったんですよね。あれは、ホロっと来ました」とうなずいた。

 イチロー氏は1991年度ドラフト4位で神戸を本拠地とするオリックスへ入団。阪神・淡路大震災が発生した1995年のシーズンでは、神戸が被災したことから「がんばろうKOBE」を合言葉に、仰木彬監督の下、イチロー氏が中心となり84年以来、11年ぶりとなるリーグ優勝に達成した。

 また翌96年は、本拠地で迎えた9月23日・日本ハム戦で連覇を実現。神戸のファンと歓喜の瞬間を共に。この年の日本シリーズでは巨人を破り19年ぶりの日本一となった。

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