ドラフト開始直前、最後のアピールで生まれた巨人・坂本

 「巨人3-5ヤクルト」(8日、東京ドーム)

 巨人の坂本勇人内野手(31)が8日、東京ドームで行われたヤクルト最終戦の一回に左翼線二塁打を放ち、史上53人目の通算2000安打を達成した。巨人の生え抜きでは川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、柴田勲、阿部慎之助に続いて6人目で、本拠地での達成は初。31歳10カ月での到達は、榎本喜八(東京=現ロッテ)の31歳7カ月に次ぐ史上2番目の年少記録で、右打者では最年少記録となった。担当記者が坂本のドラフト当時の様子を振り返った。

  ◇  ◇

 2006年度の高校生ドラフト開始30分前。坂本の担当スカウト・大森剛氏(現統括スカウト兼国際部課長)は、控室で激論を交わしていた。相手はもう一人いた外れ1位候補の担当スカウト。原監督が見守る前だった。

 「議論してよ」。指揮官に促されて始まった最後のアピール合戦。大森氏は「坂本はショートでホームラン王を獲れる素材です」と押した。15分後、原監督が背広を着た。「外れ1位は坂本でいこう」。会場に向かう姿が忘れられないという。

 同年夏までは駒大苫小牧・田中将大が1位指名筆頭候補。だが、徐々に遊撃手獲得に方針が転換していき、愛工大名電・堂上直倫の1位入札が決まった。

 「高校生は二岡の後釜でショートを獲ろうと。最初は認知されていなくて『坂本で大丈夫か?』と言われたけど、押し通した」。巨人・坂本の生みの親は感慨深げだ。「2000安打は彼の努力のたまものです」。息子を思う父親のような温かいメッセージだった。(デイリースポーツ巨人担当・中野雄太)

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