巨人・原監督 お手本はV9時代の川上氏
「中日4-5巨人」(9日、ナゴヤドーム)
節目の勝利にも巨人・原監督はコーチ陣と控え目にグータッチを交わした。巨人監督史上歴代1位の勝利数を誇っていた川上哲治氏に肩を並べる通算1066勝を達成。「まだ戦い半ばという中で言葉がなかなかでてこない。感慨に浸る余裕はないし、気持ちはあしたも変わらないですね」。喜びをグッとこらえた。
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「巨人軍の父」と敬意を表する川上氏に勝利数で並んだ原監督。采配のみならず、チーム編成もV9時代の川上巨人をお手本にしている。
今季は首位を快走しながらも3件のトレードを成立させているが、原監督は言う。「川上さんの時代も必ずトレードはしていた。金田(正一)さんとか高倉(照幸)さんとか。強い時代の中でもほかの強いチームから何人か(巨人)きていた。改めることはばかることなかれだよ」
生え抜き選手を大事にし伝統を重んじるチームカラーはあるが「チームの活性化は大事」と原監督はV9時代に習い、“外部の血”を入れることをいとわない。ウィーラー、高梨といった実績のある選手の加入で古株が刺激を受けているからこそ、チームに活気がある。「井の中の蛙になっちゃいけない」。全権監督は川上の教えを胸に刻み、強固なチーム作りに励んでいる。(デイリースポーツ・巨人担当キャップ・水足丈夫)