同じ病抱える阪神・岩田からもらった勇気、仙台育英・松本が初の聖地

 「高校野球交流試合、倉敷商6-1仙台育英」(15日、甲子園球場)

 仙台育英が倉敷商に逆転で敗れた。途中出場の松本京太郎外野手(3年)は特別な思いで立つ初の聖地だった。「テレビで見てきた場所。夢の舞台だなと思った」。九回、唯一の打席は三邪飛。それでも、やりきった高校野球に悔いはなかった。

 背番号8の支えになったのは、猛虎の左腕だった。松本は小学3年で「1型糖尿病」を発症。その告知を受けた時、担当医師から教えてもらったのがプロ野球・阪神の岩田稔投手の存在だった。同じ病気を抱えてプロで活躍する投手がいると知った野球少年には、憧れで目標になった。2014年にはテレビ番組の企画で岩田と対面する機会にも恵まれ、さらに思いは強まった。

 新型コロナウイルスの影響で一度はあきらめた甲子園には、サプライズが待っていた。試合前日の14日、宿舎に入った松本に届いていたのは、サングラスと皮手、木製バットのプレゼント。送り主は岩田だった。しかも、岩田自身から電話が入り、「頑張れよ」とエールも受けた。初対面以降は交流がなかったため「驚いたけどすごくうれしかった」と松本。岩田がずっと気にかけてくれていたことがうれしかった。

 卒業後は大学で野球を続ける。毎食後と寝る前のインスリン注射が欠かせない毎日に「不便な部分はある」と言うが、それ以上に熱い思いがある。「岩田投手も活躍されているし、野球以外でも頑張っておられる方がいる。自分もそういう立場の人間になりたい」。自分が与えてもらった勇気をいつか誰かに与えたい。思いは甲子園でさらに強くなった。

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