「ロッテ１－５楽天」（２９日、ＺＯＺＯマリンスタジアム）

　１３失点を喫した前夜の暗雲を払しょくする快投だった。公式戦では移籍後初のＺＯＺＯでの登板となった楽天・涌井。７回３安打１失点で、リーグトップの５勝目。「昨日勝てていれば良かったが、負けるとどっと疲れがくる。多少は（悪い流れを）振り切れたと思う」。仕事を果たし、淡々と汗をぬぐった。

　開幕から自己最長タイとなる５連勝。要因を「今年は先頭を出すことが少ないので。いい内容につながっていると思う」と分析する。この日も先頭打者の出塁を許したのは六回のみ。「ストライクを取ることに苦労していない」と、自分のペースに持ち込めていることに手応えを示した。

　２点リードの六回２死一、二塁で前夜に３発を放っている井上との対戦では、この日最速の１４９キロをマークし一邪飛に打ち取った。勝負どころをきっちり締めての勝利。昨季までの本拠地でのヒーローインタビュー。「不思議な感覚がしたが、帰るベンチは間違えなくてよかったです」とジョークを飛ばす表情に、充実感が宿った。