離島校指導者の思い、ウイルスの怖さより「やらせてあげたい」 大島海洋国際

3回一死一塁 大森学園・佐々木を併殺に打ち取り、グラブタッチで喜ぶ大島海洋国際ナイン=江戸川区球場(撮影・伊藤笙子)
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 「高校野球東東京大会・1回戦、大島海洋国際0-10大森学園」(26日、江戸川区球場)

 東京都の独自大会に離島から出場している大島海洋国際が大森学園との初戦に挑み、5回コールドで敗退した。都内では新型コロナウイルスの感染者数が増加しているが、増子良太監督(35)は「怖さよりもやらせてあげたい」と出場を決意した。

 同校は東京から約120キロ、伊豆半島からは約25キロ離れた伊豆諸島最大面積の大島内に位置する。現在、野球部には5人が在籍しており、この日は他クラブ生や、部活動に入っていない1年生の助っ人5人を集め、計10人がベンチ入りした。

 正規部員の3年生は主将でエースの小林侑投手のみ。増子監督は「この代自体、ずっと(小林)1人で頑張ってきたようなもの。それを見てきたので、こういう機会はありがたい。怖さよりもやらせてあげたい」と小林の気持ちをくみ取った。

 選手全員が都内に実家があるため、普段は寮生活となる。しかしコロナの影響で寮が閉鎖。3月1日に帰省した。4月からはオンラインで主にメンタルトレーニングを行ってきたが全体練習は「できなかった。強いていえば都内で生徒がちょろっと集まってやるくらい」と増子監督。「直接的な指導はほぼない。ここ2、3日でやっとできたくらいだが、天候も悪く、場所もないので室内でできることをした」と離島ならではの問題に直面した。

 そんな離島のハンディと向き合い、最後まで高校野球をやりきった小林。将来は「スポーツの素晴らしさを教える体育教師になりたい」と夢を語る。「結果を出せなかったのは悔しいが、このあとは人生の目標に向かって頑張っていく」と新たな道へ歩き出す。

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