元虎戦士の浪速・遠山監督、コールドで初星 公式戦初采配「100点」積極野球実った

 「高校野球大阪大会・2回戦、浪速9ー1桃山学院」(23日、花園中央公園野球場)

 令和2年大阪府高校野球大会が23日、東大阪市内の花園中央公園野球場などで行われ、現役時代は阪神やロッテで活躍し、昨年11月に監督に就任した浪速・遠山昭治監督(53)が桃山学院戦での公式戦初采配をコールド勝ちで飾った。大会前の練習試合は3戦2敗1分けだったため、これがうれしい初勝利。ベンチ入り20人をすべて3年生とした中、積極的な采配や硬さの見えた選手に積極的に声をかけて緊張をほぐすなど、「遠山桜」が満開の白星発進となった。

 14安打9得点のコールド勝ちでも、余裕たっぷりだったわけではない。遠山監督が思わず本音をこぼす。「緊張したね。(練習試合も)1回も勝てないうちに試合(大会)。不安やったもん。勝てるかな、点を取ってくれるかなと」。スコア以上の苦しさを感じていたからこそ、1勝の重みを感じ取れた。

 「選手は予想以上に緊張していましたね。今日は100点じゃないですか。勝ちましたからね」

 ベンチ最前列に陣取った試合中は「ベンチを出るなと言われたので、なかなか動けなかったですが」と緊張する選手に細かく声をかけた。その様子を結野颯太主将(3年)は「緊張を和らげる声でした」と振り返る。

 二回には無死一塁からバントではなく打たせてアウトに終わったが、続く1死一塁から仕掛けたヒットエンドランが成功。そこから先制犠飛につながる積極的な野球を見せた。

 試合後には記念のウイニングボールを受け取った。「今の3年生と1試合でも多くできれば。もう1つ勝って(4回戦以降の)もう1回抽選して、履正社、大阪桐蔭となるべく外れて(笑)」。ジョーク交じりであっても、上を目指す気持ちは変わらない。次は31日に阪南大高戦。新たな挑戦はまだ始まったばかりだ。

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