「オリックス２－１日本ハム」（１２日、京セラドーム大阪）

　弱冠２１歳ながら風格すら漂う。オリックスの先発・山本が今季パ・リーグ一番乗りの完投星。「いいパフォーマンスができた」。自身初の無四球完投で、自己最多の１３奪三振だ。

　一時は大記録を期待させたほどの内容だった。五回までパーフェクト。苦笑いを浮かべたのは２点リードの六回だ。「いつも六回は気にかけている」。１死から宇佐見の強烈なライナーにグラブを差し出したが間に合わず。打球は中前へ抜け、この日初安打を許した。その後、２死二塁から西川の右前適時打で１点を与えた。

　それでも終わってみれば、ほぼ独壇場。この日最速１５５キロの直球とキレのあるスライダーなどで９回を４安打１失点。「ファインプレーで助けてもらって」。仲間にも感謝の今季３勝目だ。

　いつもと変えた。この日、登場曲を三阪咲の「Ｗｅ　ａｒｅ　ｏｎ　ｙｏｕｒ　ｓｉｄｅ」に変更。「ユーチューブを見てたら流れてきて」。気分一新でつかんだ白星だった。

　見慣れた景色がありがたい。有観客となってから初先発でチームを３連勝に導き、単独５位へ浮上させた。「温かい拍手をいただいて」。ここまで無敗の無敵右腕が、まだまだ白星を量産する。