英数学館 北別府コーチに白星届けられず 広島商相手に大健闘も

 「高校野球広島大会・1回戦、広島商4-0英数学館」(11日、県総合グランド)

 成人T細胞白血病と闘病中の元広島・北別府学氏(62)が外部コーチを務める英数学館は、昨夏優勝の広島商に0-4で敗れた。

 この日、退院した北別府コーチへ退院祝いの白星を届けることはできなかった。それでも強豪・広島商相手に互角に渡り合った選手たちの表情は誇らしげだった。黒田元監督(30)は「選手は力以上のものを出してくれた」と称えた。

 初回に先発・三馬康平投手(3年)がつかまり、2点を先制されたが、初回2死からマウンドに上がった三河巧実投手(3年)が好投。6回1/3を1失点(自責0)に抑え、試合を作った。七回には北別府コーチから教わった鋭いカーブで空振り三振も奪った。「『真っすぐを投げる腕の振りでリリース直前に手首を返すように』とアドバイスしてもらいました。とてもいい球が投げられました」と顔をほころばせた。

 ナインは2月、入院生活を送る北別府コーチへ激励の言葉を寄せ書きした色紙を送った。北別府コーチからは「最高の贈り物です。元気をもらいました。宝物にします」とお礼のメッセージが届いた。この日、勝利は手にできなかったが、北別府コーチの教えを胸に全力で戦った。

 黒田監督は「早く元気になって、またグラウンドへ足を運んでいただければ。子供達はみんな待っています」と1日も早いコーチ復帰を願っていた。

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