明石商・来田2打席連発 今年初実戦いきなり!圧巻2発 卒業後の進路は「半々」

 「練習試合、明石商17-3明石南」(21日、明石商グラウンド)

 昨年、チームの甲子園春夏4強に貢献した今秋ドラフト候補の明石商・来田涼斗外野手(3年)が21日、今年初実戦で2打席連発。部活動休止期間のブランクを感じさせず、4打数2安打4打点と実力を見せつけた。同じくドラフト候補の中森俊介投手(3年)はブルペンで調整を行い、来週に予定している実戦登板に備えた。

 圧倒的な存在感を放つ、恐怖のリードオフマンだ。「前半は自分の振りができていなかったので、体勢を崩されないように、コンパクトな振りを意識して打ちました」。今秋ドラフト候補の来田が、今年初実戦でスタメン出場し、圧巻の2打席連続特大アーチをたたき込んだ。

 両足を交互に蹴り上げ、背中を大きく反らすお決まりのルーティンで打席に立つ姿は、高校生離れしたオーラを感じさせる。この日は「1番・中堅」で出場したが、4打席目までは四球、中犠飛、空振り三振、一ゴロと決して調子がいいわけではなかった。

 しかし、このままでは終わらないのが来田だ。14-2と大きくリードして迎えた六回2死。3ボールからの高めに浮いた直球を見逃さず、強振。節目の高校通算30本目は、100メートルある右翼のサクを越える特大ソロ弾となった。

 さらに、迎えた最終打席。八回2死二塁では、低めのスライダーをうまくすくい上げ、再び右翼へ。2打席連続となったダメ押しの2ランに、思わず笑みがこぼれた。

 今年はセンバツや夏の甲子園が相次いで中止となり、部活動も長い間休止していた。だが、来田はレベルが落ちるどころか、打撃面での成長を見せた。「春から高めの球をさばく練習をしていました。(1本目は)その結果が出たと思う」。狭間善徳監督(56)も「来田は最近良くなってきた。能力やろね」と称賛した。

 卒業後の進路については「(プロか進学か)半々です。今の自分の実力をしっかり見極めて決めていきたい」と冷静に先を見据えた主砲。悔いなく次のステージに進むためにも、まずは高校で最高の結果を残してみせる。

 ◆来田 涼斗(きた・りょうと)2002年10月16日生まれ、17歳。神戸市出身。180センチ、86キロ。右投げ左打ち。外野手。兄の影響で有瀬小1年から「明舞ネオボーイズ」で野球を始め、神戸長坂中時代は「神戸ドラゴンズ」でプレー。明石商では1年春からベンチ入りし、2年秋から主将を務める。高校通算31本塁打。50メートル走5秒9。

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