緊急事態宣言中はスカウトの活動制限 各都道府県をまたぐ移動など厳しい状況に
新型コロナウイルス感染拡大でアマチュア野球の各大会が立て続けに中止、延期となっている。試合がない中で大きな打撃を受けているのがNPBのスカウトたち。“仕事場”に足を運べず、身動きが取れない状態だ。今後も情勢が改善されなければ、11月5日予定のドラフト会議にも多大な影響を及ぼす可能性が出てきている。
現在、全国に緊急事態宣言が出されていることもあり、スカウトの活動は制限されている。プロ野球スカウト会の永野会長(ロッテ プロ・アマスカウト部長)は「あくまでもスカウト会は任意団体なので、基本的には各球団の拘束力が強い」と前置きした上で「アマチュア側に迷惑がかからないようにしましょうということは伝えてます」と言う。
新型コロナウイルスの感染拡大により、各都道府県をまたぐ移動が制限されている。このケースは大丈夫か?など、各スカウトから永野会長のもとに問い合わせが入ることもあった。「最初はなかなか足並みをそろえることは難しかったですが、今はある程度、定められた範囲内で活動していると思います」。アマ側の迷惑にならないよう、在宅での調査や映像でのチェックを各スカウトが裁量内で続けている。
ただこの時期にプレーを見ることができないのは、ドラフト候補、そしてスカウトにとってもマイナスである事実に変わりはない。以前、阪神・畑山アマ統括スカウトは履正社時代のヤクルト・山田哲を例に挙げ「ひと冬越えて春にグッと来て、そのままの勢いで夏、そしてドラフト1位まで伸びていった」と明かしていた。
今は成長を見ることができない、そして見てもらえない-。過去に前例がない厳しい状況と言わざるをえない。