３月３１日付けで広島新庄の監督を退任した迫田守昭氏（７４）が４日、北広島町の同校グラウンドを訪れ、この日から練習を再開した選手に退任を伝えた。

　練習開始前、三塁側ベンチ前に集合した選手に退任を伝え、「夏は他チームも新庄を目標にしてくる。新監督の下、一つになって打ち勝ってほしい。遠くからみんなの成長を見るのを楽しみにしている」と語りかけた。

　さらにサプライズで、夏の甲子園出場を目指す選手へのメッセージが記された額縁をプレゼント。今春のセンバツ開会式で「広島新庄」のプラカードの文字を書く予定だった愛媛・伊予高の書道部に頼んで書いてもらったもので、「みんなに感謝の思いも込めてプレゼントしたい。寮に飾って励みにしてほしい」とエールを送った。

　迫田氏は広島商、慶大、三菱重工広島で捕手として活躍。７９年には三菱重工広島の監督としてチームを都市対抗初出場初優勝に導いた。００年に母校・広島商の監督となり、甲子園に２度出場。０７年秋から広島新庄を指揮し４度甲子園に導いた。

　退任は数年前から考えていたそうで、「年齢的なこともあり、どこかで後継者に譲らないといけないと思っていた」と説明。今後は未定で、「高校野球は私の生活のすべて。代わるものを早く見つけなければ」と語った。

　後任の宇多村聡監督（３３）は、迫田氏が広島商監督だった時の教え子で、３年夏には現カープスコアラーの岩本貴裕氏とバッテリーを組んで甲子園にも出場した。東洋大を経て０９年に広島新庄の職員となり、迫田氏の下でコーチを務めていた。「迫田監督がやってきたものを引き継ぎながら、選手一人一人が満開の花を咲かせられるように指導していきたい」と抱負を語った。