センバツ史上初の中止「選手の健康第一」コロナ終息見通し立たず苦渋の決断

 日本高野連は11日、大阪市内で19日に開幕予定だった第92回選抜高校野球大会の臨時運営委員会を開き、予定されていた大会としては史上初となる大会中止を決定した。4日には中止の選択肢を残した上で、無観客開催を前提に準備を進める方針を決定したが、新型コロナウイルスに終息気配がなく、選手の健康を守るための感染予防策を徹底することが困難であると判断した。ギリギリまで球児の夢をつなぐ策を検討し続けた中での苦渋の決断となった。

 注目の会議は、重い決断と共に幕を閉じた。球児の夢のためと、無観客開催に向けてあらゆる策を検討したが、現実的に健康面のリスクを100%排除することは困難だと判断。史上初の大会中止という結果に、日本高野連の八田英二会長は断腸の思いをにじませた。

 「高校野球は学校教育の一環である。選手の健全な発達に重大な不安が生じている。教育関係者として、選手の健康を第一に考える。それが原点だと考え、苦渋の決断をさせていただいた」

 4日の運営委員会、臨時理事会で無観客での開催を前提に準備を進めることを発表。そこからは球場内の設備面や選手の移動、宿舎での行動についても細かな策を考え、準備してきた。限られた中で、可能な範囲での策は練られたが…。

 「中止の最大の理由は出場選手の健康への配慮。これが最大の理由。その不安が払しょくできなかった」と八田会長。まだ不明な部分を多く残す新型コロナウイルス。万全の準備を整えるのは困難な状況であり、4日以降も大阪や兵庫では感染者が増加した。

 また、日本高野連の小倉事務局長が9日にNPBとJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」にオブザーバーとして出席。考えていた対策を専門家に示したが「万全とは言えない」という意見だったという。10日には安倍首相が全国的なスポーツや文化イベントの実施自粛要請の10日間の延長を求めることを表明。終息の見通しが立っていない現状も判断材料となった。

 丸山昌宏大会会長も「痛恨の極み」と話した悔やまれる結末。未知の脅威にさらされ、日本中が苦しむ現状は理解できても、夢に満ちた球児の声が甲子園に響かない春はあまりにさみしい。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス