さらばカネやん 長嶋さん感謝と別れの言葉「プロの洗礼を浴び私の野球人生がスタート」

 献花を捧げ、手を合わせる長嶋茂雄名誉監督
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 国鉄(現ヤクルト)、巨人で通算400勝を挙げ、昨年10月6日に急性胆管炎による敗血症のため亡くなった金田正一氏(享年86)のお別れの会が21日、都内のホテルで行われた。球界や芸能界から約500人、一般から約400人が参列。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(83)やソフトバンクの王貞治球団会長(79)、ヤクルト、阪神、楽天などで指揮を執った野村克也氏(84)らが故人に別れを告げた。弔辞は巨人・原辰徳監督(61)が読み上げた。

 背筋をピンと伸ばし、遺影をじっと見つめた。関係者2人に支えられながらも、祭壇の前に立ったミスター。数多くの名勝負を繰り広げ、そして同僚としてV9時代をともに戦ったレジェンド左腕に花を手向け、弔電で別れの言葉を送った。

 「偉大な金田投手と同じ時代にプレーできたことは心から感謝しています。あなたのおおらかさ、豪快さ、そして優しさは多くの仲間を勇気づけてくれました。私もそのうちの1人です。本当に本当にありがとうございました。心より御冥福をお祈りいたします」

 代読した司会者の声が会場に響く。1958年4月。自身のデビュー戦で当時国鉄のエースだった金田氏の前に4打席4三振。「あの日、金田さんからプロの洗礼を浴びたことで、私の野球人生がスタートしたといっても過言ではありません」。強烈な記憶に残ったシーンに触れ、当時に思いをはせた。

 長男で俳優の金田賢一(58)は「(来てくれて)僕らは喜んでいるんだけど、オヤジは心配になって(天から)降りてくるかもしれない。『シゲ、無理するなよ』って」と柔和な笑みを浮かべた。半世紀以上にもなる付き合い。「我々には計り知れない友情や機微があるのかもしれない」とおもんぱかった。

 グラウンドを形取った祭壇のマウンドの位置に、金田氏の写真が飾られた。2009年5月24日に神宮球場で務めた始球式を正面から捉えた1枚。柔和な笑顔が出席者一人一人を優しく包み、別室には現役、監督時代の写真やトロフィー、ユニホームなどを展示。“カネやん”の生きざまが、会場いっぱいに詰められた。

 不世出の大投手に手向けるべく、球界のレジェンドたちが駆けつけたお別れの会。王会長、野村氏、張本氏、杉下氏…。18歳の時に「鹿児島のキャバレーに呼び出されてからの付き合い」と振り返る張本氏は「よくケンカもしましたしね。さみしいですわね」と声を落とした。同じ時代を戦った名選手たちが、それぞれの思いを込めて、別れを惜しんだ。

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