ダル&マー育てた名伯楽…佐藤義則氏望む プロは「1軍で10年」活躍

 カブス・ダルビッシュ有、ヤンキース・田中将大ら、後のメジャーリーガーのみならず、阪神、オリックス、日本ハム、楽天、ソフトバンクで数多くの投手を育て、また1軍投手コーチとしてはすべてのチームを優勝に導いた名伯楽・佐藤義則氏が再び、デイリースポーツの解説陣に加わった。技術論にとどまらない、深い解説はオープン戦以降の楽しみとして、まずは指導者としての来歴を、自身に振り返ってもらう。

  ◇  ◇

 佐藤義則です。今年から、デイリースポーツ野球評論家として再びお世話になります。

 僕は現役を終えてから、さまざまな縁で長い間、指導者を務めることができました。重要な技術論、例えばピッチングで最も重視するのは、曲がる場所、つまり肘、膝といった関節部分をいかに正しく、効率よく使うかである、といったところは一貫して教え続け、その成果として独り立ちしてくれた投手がいてくれたことは、何よりの喜びです。

 もう一つ、それ以上に僕の中で一貫して伝えたかったのは、せめて10年はプロの1軍で活躍してほしい。そのためにどうする、という部分です。

 中には成長しきれず球界を去る選手もいました。僕が違う球団に行ったために「もう少しですごいピッチャーになる」という才能を伸ばしきれなかったこともありました。日本ハムの吉川(光夫)などは、ダルビッシュと左右のエースになれる素材と感じてましたが、2007年、新人の1年間しか教えられず、今でも「ごめんな」という気持ちでいます。

 逆に例えば阪神の福原(現1軍投手コーチ)や安藤(現2軍育成コーチ)らが、長く現役を務めてくれた上、今度は指導者として頑張っていると聞くと、阪神のコーチ時代(02~04年)に関わった身としては本当にうれしいんですね。

 振り返ってみると、僕が望む「1軍で10年」というレベルに到達したピッチャーは、みんなよく練習しました。当然、まだ1軍に定着できない若手の憧れの対象です。しかしその若手たちの大半は、なかなか芽が出ない。理由として「見ているところが違うだろう」と感じていました。

 つまり、技術もスタミナもある主力投手たちが、試合でいいパフォーマンスをするための調整として、例えば1日ブルペンに入れば2日空ける、といったことをする。ところが技術もスタミナもない若手が「壊したくないから」とそこをまねる。これは、明らかに違います。

 投げないとうまくなれない。壊していいとは言いませんが、3日に1回程度のブルペンで技術向上は見込めないし、当然1軍には行けません。例えば下柳(剛)など、試合前に打撃投手を務めて、さらにベンチ入りして試合でも投げる。そこまでやったから徐々に技術が上がり、1軍で通用するピッチャーに成長したんですね。それを「極端な例」と笑える資格のある2軍の投手はいないと思うのですが…。

 ちょっと話がそれましたね。私が関わったピッチャーとしてダルビッシュや田中の名前をよく出してもらってます。彼らも、それ以外にも、思い出深いピッチャーはたくさんいますので、次回、触れていきましょう。

 ◆佐藤 義則(さとう・よしのり)1954年9月11日生まれ、65歳。北海道出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。函館有斗から日大を経て、76年度ドラフト1位で阪急(現オリックス)入団。最多勝(85年)、最優秀防御率(86年)、新人王(77年)。95年8月26日・近鉄戦でノーヒットノーラン。通算成績は501試合165勝137敗48セーブ、防御率3・97。98年現役引退後はオリックス2軍投手コーチ、阪神・日本ハム・楽天・ソフトバンクの1軍投手コーチを務めた。2020年からデイリースポーツ評論家に復帰。

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