日本高野連は１３日、来春の第９２回センバツ高校野球大会（来年３月１９日開幕、甲子園球場）の２１世紀枠候補の９校を発表した。来年１月２４日の特別選考委員会で出場する３校が決定する。

　近畿地区では伊香（滋賀）が推薦された。出場が決まれば、全国常連校と言われていた１９８７年春夏出場以来の甲子園となる。

　職員会議中に高野連からの連絡を受け、校内は歓喜に包まれた。部員も喜びを爆発させ「チームワークをもっと高めていこう！」と声を掛け合った。

　７年間チームを見てきた小島義博監督（３３）は「率直にうれしいです。部員が少ない中で、自分たちがやってきたことは間違いじゃなかった。評価していただけてありがたいです」と喜んだ。

　伊香は滋賀県内でも人口減少率と高齢化率が著しく高い地域にあり、年々部員数は減少している。現在も選手１８人、マネジャー５人の計２３人と決して多くない中で“甲子園出場”を目標に練習に励んできた。

　今秋の滋賀秋季大会では、最速１４０キロ右腕・隼瀬一樹投手（２年）を主軸に、粘り強い野球でベスト４入り。準決勝で対戦した近江に延長戦でやぶれはしたものの、０－１と奮闘した。

　小島監督は「甲子園に出られたら、応援してくださっている地元の方々にエネルギーを与えるようなプレーを見せたい」と意気込んだ。

　報告を受けた吉居増之教頭も「出場が決まれば学校はもちろん、地元の方々にも来ていただき、地域全体で野球部を応援したいです」と来年の選考を心待ちにした。

　豪雪地帯のため、野球部はこれから練習が十分にできない季節に突入する。だが、チームの思いは一つだ。やっとつかんだチャンスを逃さないよう、悲願の「甲子園出場」を見据えて、厳しい冬に挑む。