甲子園王者・履正社、敗れるも最後は笑顔 井上は「全員で楽しめてよかった」
「茨城国体・準決勝、海星6-2履正社」(1日、ノーブルホームスタジアム水戸)
今夏の甲子園王者・履正社は敗れたものの、3年生は高校最後の公式戦を笑顔で締めくくった。
チームをまとめ上げた前主将・野口海音捕手(3年)は「他のチームより長く一緒に野球ができたので、悔しいですけど後悔はないです」と晴れやかな表情を見せた。
序盤から苦しい展開が続いた。先発のエース・清水がつかまり、四回までに9安打3失点(自責点2)。その後、衣笠、植木が継投したが海星打線を止めることができず、0-6と大きくリードを許した。
しかし、七回に2点を返し迎えた最終回。2死から驚異の粘りを見せた。代打・関本が全力疾走で内野安打とすると、1番・桃谷が初球を中前にはじき返した。さらに続く池田が四球を選び、2死満塁。一発同点のチャンスで、新チームの主砲・小深田が打席へ。球場の期待を一身に背負いフルスイングしたが、快音が響くことはなかった。
試合後「次(井上)につなげたかった」と悔し涙を流した小深田を、3年生たちは優しい表情で迎え入れた。
最後の瞬間をネクストサークルで迎えたドラフト候補・井上広大外野手(3年)は、今大会1安打に終わったが「最後まで全員で楽しめてよかった。けがに悩まされたこともありましたが、悔いはないです」と語り、「次のステージに向けて、自分のできる準備をしっかりしたい」と前を見据えた。