ソフトバンク・千賀 ノーヒットノーラン!76年ぶり球団2人目

 「ソフトバンク2-0ロッテ」(6日、ヤフオクドーム)

 ソフトバンクの千賀滉大投手(26)がヤフオクドームで行われたロッテ戦で、日本プロ野球史上80人目(通算91度目)の無安打無得点試合を達成した。元号が令和になってから初。育成ドラフト出身選手としては初めてで、ソフトバンクでは南海時代の1943年に別所昭(後の毅彦)が記録して以来、76年ぶりで、2リーグ分立後は初の快挙となった。

 歴史的快挙は、お化けフォークで決めた。九回2死一、三塁。千賀は4番・井上を1ボール2ストライクと追い込む。4球目は外角低めの137キロフォーク。井上のバットが空を切った。この日12個目の三振で、令和初、育成出身初、そして2リーグ分立後は球団初となるノーヒットノーランを達成すると、千賀は同じ育成出身の甲斐と抱き合った。

 五回終了時から快挙達成を意識したといい「あと4回全力で抑えようと思った」。期待感からざわめくスタンドの雰囲気さえ楽しんだ。

 圧巻は八回。清田、藤岡、レアードを3者連続三振。球速は159キロをマークした。九回は2四球を与え、1死一、三塁のピンチを招き「ここで1本打たれたら、すごいため息が漏れると思った」という。中村奨を二飛。続く井上をフォークボールで空振り三振に仕留めて締めくくった。

 大事なシーズン終盤に来て、自身3連敗中と苦しんでいた。この日の朝、起床すると携帯電話に甲斐から一通のメッセージが入っていたという。「今日はおまえのために頑張るから」。苦楽を共にした女房役と気持ちを一つにし、ミットへ全力で投げ込んだ。「いいリードをしてくれたし、あほみたいなワンバウンドも止めてくれた。本当に感謝したい」と感慨深く話した。

 12三振を奪い自身初となるシーズン200奪三振にも到達。リーグ優勝奪還へ向け、弾みをつけるような快投だった。

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