岡山学芸館 18点大敗でも顔面骨折でも笑顔の丹羽が誇りです

 「全国高校野球選手権・3回戦、作新学院18-0岡山学芸館」(16日、甲子園球場)

 3回戦4試合が行われ、岡山学芸館(岡山)は作新学院(栃木)に18失点で完封負けを喫し、初の8強入りはならなかった。初戦・広島商戦で顔面を骨折した丹羽淳平投手(3年)が「5番・投手」で先発したが、相手打線につかまり5失点。しかし最後までチームのモットー「笑顔」を貫いた。中京学院大中京(岐阜)は東海大相模(神奈川)に打ち勝った。明石商(兵庫)は延長十回にサヨナラスクイズで宇部鴻城(山口)を下し、八戸学院光星(青森)も海星(長崎)にサヨナラ勝ち。勝者がベスト8に進んだ。

  ◇  ◇

 大敗の悔しさは見せず、少し腫れが残る頬に笑みを浮かべた。「ケガをしたあと、たくさんの人が自分を支えてくれた。感謝の気持ちで投げました」。岡山学芸館・丹羽淳平投手(3年)はすっきりとした表情で話した。

 アクシデントを乗り越え、帰ってきた先発マウンド。強気に左腕を振ったが、作新学院打線につかまった。「相手は初球からどんどん振ってきた。苦しいピッチングでした」。5点を失い、三回で降板した。

 先発した10日の初戦・広島商戦の初回に、強い打球が左頬を直撃。わずか11球投げただけで担架で運ばれ、「左顔面骨骨折」と診断された。医師に懇願して七回にベンチに戻ると、打線が奮起して逆転勝ち。ナインは「丹羽のために勝つぞ」と声をかけ合っていた。

 翌日から2日間は話すのも食べるのも苦労したが、電気治療などで回復を図り、13日には痛みがなくなった。医師から試合復帰の許可が出て、佐藤貴博監督(36)から先発を告げられたのは14日夜。打球直撃の恐怖はまだ消えてはいなかった。

 「毎晩、寝る前に頭をよぎりました。ボールが目の前に迫ってきて、一瞬で周りの音が聞こえなくなって…」

 強い気持ちを取り戻せたのも、監督の信頼や仲間の励ましがあったからだ。四回から一塁に回った丹羽は、九回に再び登板。1イニングを無失点に抑え、最後の攻撃では左前打も放った。「みんなに恩返しはできなかったけど、全力で戦えたから悔いはない。甲子園は最高の場所でした」。誇らしげな笑顔で聖地をあとにした。

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