明徳・馬淵監督 甲子園通算51勝4位タイ ひらめき采配で辛勝
「全国高校野球選手権・1回戦、明徳義塾6-4藤蔭」(8日、甲子園球場)
1回戦4試合が行われ、明徳義塾(高知)は藤蔭(大分)を下し、馬淵史郎監督(63)が歴代4位タイとなる甲子園通算51勝目を挙げた。
辛くも逃げ切った。明徳義塾・馬淵監督が開口一番、「苦しいですねえ」と汗を拭う。横浜・渡辺元智監督、帝京・前田三夫監督に並ぶ、4位タイの甲子園通算51勝目。執念の采配でつかんだ白星に「試合中は集中していて暑さも感じなかった。でも終わったら、パンツまでびっちゃんこでした」と、おどけて笑った。
継投策が的中した。6-0の六回、先発・林田大成投手(3年)が連打を浴びて2点差に迫られたが、2番手でマウンドに送った山田圭祐投手(3年)が鋭いスライダーを武器に相手の反撃ムードを断ち切った。さらに九回には「パッとひらめいた」と、2年生左腕・新地智也投手を投入。細心のリレーでリードを守り抜いた。
今大会最年長63歳の将は「今年の明徳は打てません」とはっきり言う。この日も相手より3本少ない6安打だったが、要所で確実に送りバントを決めるなど、効率のいい攻撃で最年少26歳の藤蔭・竹下大雅監督の挑戦を退けた。
今年2月には学校グラウンド内にウエートトレーニング室を新設。甲子園を席巻するパワー野球に乗り遅れまいと、筋力強化に割く時間を大幅に増やした。それでも「明徳野球」の根幹は不変。「バントで送って1点を取る。ずっとやってきた野球を今後もやりたい」と力を込める。
2回戦の相手は智弁和歌山。夏は全国制覇した02年の決勝以来、2度目の対戦だ。「力は智弁和歌山が上。でも、野球はやってみないと分からん。うまいことやったら勝負になる」。百戦錬磨のタクトで勝利を引き寄せる。