大船渡・佐々木 2回完全&2点三塁打で上々初戦突破

 「高校野球岩手大会・2回戦、大船渡14-0遠野緑峰」(16日、花巻球場)

 最速163キロ右腕のラストサマーが幕を開けた。今秋ドラフトの目玉である大船渡・佐々木朗希投手(3年)は初戦に先発し、2回を投げて完全投球。打っては4番として先制の2点適時三塁打で14得点の口火を切った。わずか19球に球数を抑えるなど五回コールドで快勝し、悲願の甲子園出場へ上々の船出となった。

 最後の夏の初陣は最も輝けるマウンドで迎えた。「4番、ピッチャー、佐々木君」とアナウンスが響くと、スタンドからは大歓声。「自分が投げることによってチームの勢いがつけばいいなと」。この日は最速147キロの直球にスライダー、チェンジアップを駆使。打者6人を相手に1人の走者も許すことなく役割を全うした。

 主砲としても初回1死一、二塁から右翼手の頭を越える大飛球で先制点を生み出した。逆方向への2点適時三塁打で自ら援護し、三塁ベース上では味方ベンチへ向かって両手でガッツポーズ。「すごく楽しく、ワクワクしながらプレーすることができた」と充実感いっぱいの汗が光った。

 聖地切符へのシナリオは頭の中で描いている。打たせて取る投球を心掛け、初回はわずか7球。「甲子園まで行くって考えたら、一戦一戦大事なんですけど、長い目で見ていかないともたないと思うので。全試合、万全に行けるように」。いずれも初戦で当時の自己最速を更新しながら頂点に届かなかった昨夏、昨秋の経験を糧にしている。

 初戦を含めて9日間で6勝が必要な厳しい道のりを、常に最高の状態で臨むための準備は怠らない。登板後のケアはもちろん、「最低でも9時間とかは取れたら」と睡眠で体力回復を心掛ける。栄養面でもグリコーゲン・ローディングを取り入れるなど意識は高い。

 今や全国から注目を集める存在だが、毎試合のように応援へ駆けつける母・陽子さん(46)の目からすれば「不思議です」と現実離れしたように映る。「最後、みんなとは勝って終われたらいい」という佐々木の願いは高校球児の誰もが思うこと。次は18日、一戸戦。たぐいまれなる才能におごらず、愚直に大舞台を目指す。

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