巨人増田大「ここしかない」と代走でヒーローに 25歳苦労人が“尚広2世”に名乗り
「阪神3-4巨人」(8日、甲子園球場)
巨人が逆転勝ち。2位阪神とのゲーム差を7・5とし、貯金を再び今季最多の15とした。
チームを勝利に導いたのは、代走・増田大の足だった。同点の八回、1死から岡本が中前打。すると、指揮官は代走・増田大を送り、勝負を仕掛けた。「代えるべきか迷った」と振り返ったが、この決断が勝利を引き寄せる一手となった。
その増田大は「サインが出れば、一発でスタートを切ろうと考えていた」という。増田の足を警戒した阪神ジョンソンは、続く陽岱鋼の打席でいきなりけん制悪送球。労せずして1死二塁となったが、増田大は「外国人投手なので、一球目にチャンスがあると思った」と初球からスタートを切り、見事に三盗を成功させた。
1死三塁から陽岱鋼がたたきつけた打球は、前進守備を敷いた遊撃植田のグラブをはじいて左翼へ。お膳立てした増田大がヒーローインタビューに呼ばれるのは当然ともいえる活躍だった。
25歳の増田大は、3日の中日戦でもサヨナラを呼び込む絶妙な犠打を決めたばかり。育成からはい上がり、守備固めや代走としても必要不可欠な戦力になりつつある。原監督は「まさか1死三塁のシチュエーションをつくるとは見事。見事なランナーですね」と絶賛した。
原監督は今季、一塁コーチャーを務める鈴木尚広外野守備走塁コーチの代役を求めてきたが、まさにそのスペシャリストをほうふつとさせる活躍。増田大は「サードまでいけたのでここしかないと思った」、「大歓声のなか、インタビューを受けられて最高です。チームが勝つために必死にやっています」と、充実した表情だった。