セ最下位指名がサヨナラ 佐野劇打!DeNA6年ぶり開幕カード勝ち越し

 「DeNA3-2中日」(31日、横浜スタジアム)

 どうしても打ちたかった。自分の力を証明したかった。代打で登場したDeNA・佐野恵太内野手(24)は、小熊の直球を鋭く振り抜いた。三遊間を破った打球を見届けると破顔一笑。“セ・リーグ最下位指名の男”が、6年ぶりの開幕カード勝ち越しを呼び込んだ。

 同点の九回、1死一、三塁の場面。スタジアムのボルテージが最高潮に達する中、代打・佐野がコールされた。「九回に入ってから、どこの打順でも代打でいけるよう、しっかり準備ができていた」。迷いはなかった。開幕戦でも代打で2点二塁打を放った男が、またもや勝負強さを見せつけた。

 2016年ドラフト9位で入団。支配下登録選手としての指名は全体で87人中84番目、セ・リーグでは最下位の指名だった。くしくも、この日の相手先発は明大の同級生でドラフト1位の柳。「柳が1位で入って、僕が9位で入った。今日投げている姿を見て、まだまだ頑張らないといけないと思いました。はい上がっていけるように」。指名順位は関係ない。その事実を結果で証明した。

 ラミレス監督はサヨナラの場面について「坪井コーチから『佐野どうですか』という提案があって」と舞台裏を明かした。「与えられたチャンスを生かせるように」と力を込めた佐野。誰よりも貪欲に、誰よりも強く、プロの世界を生き抜く。

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