松山聖陵、聖地初星は夏へ持ち越しも…3投手が粘投 気迫のリレー見せた

 先発した松山聖陵・平安山(撮影・中田匡峻)
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 「選抜高校野球・1回戦、大分4-1松山聖陵」(27日、甲子園球場)

 松山聖陵は大分に1-4で敗れ、甲子園初勝利はならなかった。初回に2点を失い劣勢が続く中、平安山陽投手(2年)、高松亨有投手(2年)、根本大蓮投手(3年)の3人の継投で粘りを見せたが、打線にあと1本が出なかった。春夏通じて3度目の甲子園も初戦敗退。ナインは悲願の1勝を目指して夏に向かう。

 「歴史を変える」-。新チーム結成時に定めたスローガンを、春の聖地で実現することはできなかった。春夏合わせて3度目の甲子園も、松山聖陵は初戦で涙をのんだ。

 3人の継投で粘り強く戦った。先発した背番号10の2年生右腕・平安山が初回に3安打を浴びて2失点。「緊張で腕が振れなかった」と力を出し切れないまま2回で降板した。

 嫌な流れを食い止めたのが2番手の高松だ。「自分が抑えたらチャンスが来ると思って投げた」と、緩急をつけた投球で4回を無失点に抑えた。

 0-2の七回から188センチの長身エース・根本がマウンドに上がると、八回に打線が1点を奪って1点差に迫る。逆襲ムードが高まったが、その裏、根本が2死満塁のピンチを招き、相手7番打者に右前へ2点適時打を許してリードを3点に広げられた。「0に抑えて流れを引き寄せたかったけど、高めに浮いた球を打たれてしまった」。主将も務める根本は失投を悔やんだ。

 大会を目前に控えた今年2月に不祥事により監督が交代。動揺するチームを根本は懸命にまとめた。「自分は口で引っ張るタイプではない。前は自分のことで精いっぱいだったけど、主将になって周りを見るように心がけた」。寡黙なリーダーは、勝利への強い意志で仲間を引っ張った。

 甲子園入り後には、OBの広島・アドゥワ誠から差し入れのTシャツが届いた。背中には「己に勝たずして他に勝てぬ」とメッセージがプリントされていた。偉大な先輩に吉報を届けたかったが、初勝利の夢は夏へ持ち越し。根本は「早く松山に帰って練習したい」と前を向いた。

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