大瀬良メジャー斬り マエケンと互角投げ合い成長見せた5回1失点

 「日米野球、MLBオールスター3-5侍ジャパン」(13日、マツダスタジアム)

 マツダスタジアムで新旧エースによる夢の対決が実現した。侍ジャパンの大瀬良大地投手(27)=広島=が先発し、5回を2安打1失点と好投を演じた。MLB選抜の先発マウンドに立った、かつてのチームメートの前田健太投手(30)=ドジャース=との投げ合いに、地元・広島のファンも大興奮。カープが生んだ2人の投手が広島の夜を鮮やかに彩った。

 かつての広島のエースに、確かな成長を示した。肌寒い風が吹くホーム・マツダスタジアム。大瀬良が元同僚の前田と「紅白戦でもないと思う」という念願の投げ合いで5回2安打1失点。カープでは投手陣の柱としてシーズンを戦い抜き、日の丸を背負ってもメジャー軍団を相手に存在感を発揮した。

 「こういう機会に巡り合えたので幸せに思う。成長した姿を少しは見せられたのかなと思います。しっかりと強気に自分らしい投球ができました」

 マウンドで仁王立ちした。初回先頭のロサリオには四球を与えたが、2死二塁からこの日ナ・リーグの新人王に決まった4番・アクーニャを直球で、二回先頭のソトにはカットボールで見逃し三振。今シリーズで印象に残っている2人に対し、今季最多勝を獲得する中で特に支えてくれた2つの球で斬った。

 無安打で迎えた0-0の二回2死走者なしでホスキンスに高め直球を右翼席へ被弾したが、その後は1安打のみ。四回1死一塁からはフォークでソトのバットに空を切らせ、2打席連続三振を奪った。

 前田とは2年間ともにプレー。16年オフまでは自主トレをともに行っており、普段から頻繁に連絡も取る。11日の第3戦が始まる前には走ってケージ裏に駆け寄り、昨オフ以来の再会。「体が大きくなってました」と笑顔を見せていた。前日には会沢ら侍の広島勢全員とともに前田と広島市内で焼き肉をほお張り、貴重な時を刻んだ。

 2年ぶりの日の丸にして、日米野球は初出場。記憶に残るのは上原浩治が02年にバリー・ボンズから3打席連続空振り三振を奪った場面だという。「テレビでも見ましたし、上原さんの映像をYouTubeで見る時に出てきて、何回も見てます」。この日はマエケンとの夢の投げ合いに加え、始球式は黒田博樹氏。赤ヘルの柱が一堂に会する、特別な一日にもなった。

 一球一球に力を込めて投じた73球。来季へ、そして「出られるなら出たい」という2年後の東京五輪へも間違いなくつながるはずだ。

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