日本ハム・清宮7号 王先輩に並び「うれしい」

 「楽天3-5日本ハム」(28日、楽天生命パーク宮城)

 澄んだ夜空に白球が映える。二回。日本ハム・清宮がカウント1-1から132キロの変化球を振り抜いた。舞い上がった打球は右翼席中段へ吸い込まれる7号先制ソロだ。

 「打った瞬間いったかなと思いました」。早実の大先輩で、尊敬するソフトバンク・王貞治球団会長の新人時代の本塁打数に並んだ。「並んだのはうれしい。まだ試合が続いている。また明日からしっかりやりたい」。昨年プロ志望届を提出した際には歴代最多868本を目指すと公言。19歳時の王さんに肩を並べたが、あくまでも通過点だ。

 「良い形で活躍を見せたい」といつも以上に言葉に力を込めていた。この日、ベテランの矢野が今季限りでの現役引退を表明。本塁打を放つとベンチ前で首を横に振る通称「キヨダンス」は矢野の発案だった。

 「いろんなアドバイスももらった。さみしいです」。特に心に刻まれているのは、長くプロでいるための秘訣(ひけつ)。「ひとつのことだけでなく、細かいプレーも極めていけと言われました」

 類いまれな打撃能力を持つからこそ贈られた先輩の言葉。7月の初旬以降、右肘の違和感のため守備に就くことはなかったが、久々の一塁でスタメン出場。去りゆく先輩の金言を胸に必死にボールを追いかけ、勝利を贈った。

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