智弁和歌山・高嶋仁監督 勇退理由は「病気もある。ノックできなくなった」
甲子園春夏通算最多の68勝を挙げている智弁和歌山・高嶋仁監督(72)が25日、同校で会見し、24日をもって勇退したことを発表した。コーチだった中谷仁氏(39)が新監督に就く。
白いシャツにネクタイ姿で会見に挑んだ高嶋監督は退任理由について「ノックができなくなってしまったことが大きな要因の一つ。もう一つは体力的なもの。この年になるといろんな病気もある。薬も飲んでいる。野球部の生徒に迷惑をかけた。100回大会に出場できたことで理事長にお願いしていた」と説明した。
持ち前の熱心さと指導力で同校を強豪校に育て上げたが、近年は体調不良を抱え、通院を繰り返した。症状は「難病の貧血」と説明し、6~7年前に「ドクターストップ」がかかってからはノックも軽いものに控えているという。15年夏の甲子園で敗退後、一度は辞意を固めていたこともあった。しかし学校側の慰留や、有望な選手たちを育てたいという思いから、記念大会である今夏まで指揮を執り続けた。
ラストイヤーとなった今年はセンバツ決勝で大阪桐蔭に敗れ準優勝、夏の甲子園1回戦敗退という結果だった。「悔いが残っているのは今売り出し中の大阪桐蔭を倒せなかったことが一番悔いが残っている。中谷新監督に引き継いでほしい」と、後任の中谷監督に夢を託すことになった。
同席した藤田清司理事長は「昨日、中谷が監督に就任した。高嶋監督は名誉監督として奈良、和歌山とも指導してもらう」とした。