「マイナビオールスターゲーム・第１戦、全パ７－６全セ」（１３日、京セラドーム大阪）

　ＤｅＮＡ・筒香にとっての夢の時間－。２人の憧れの存在と過ごした空間で、豪快な一発を見せた。２点を追う三回２死三塁。オリックス・山本の直球勝負に全力のフルスイングで応え、左中間席へ運ぶ同点２ラン。敢闘選手賞を獲得した。

　球宴ならではの真っ向勝負。「直球に絞っていたが、なかなか捉えられなかった。これからどうなっていくのか、スゴく楽しみ」と１９歳右腕を称えた。

　これで球宴では３年連続本塁打。山本浩二、松井秀喜（ともに５年連続）、山内一弘、掛布雅之、佐々木誠に次ぐ史上６人目の記録。特に松井氏は子供のころから憧れてきた存在。１５年の宜野湾キャンプで臨時コーチを務めた松井氏の直接指導が、飛躍のきっかけともなった。

　「一緒にプレーすることはかなわなかったが、少しでも追いつきたい」。松井氏が殿堂表彰を受けた試合での一発も不思議な縁。そして、先発した横浜高の大先輩・松坂も筒香には特別な存在だ。

　左翼から松坂の背中を見つめ「あの光景は絶対に忘れられない。幸せな時間」と筒香。今年から３分間で球数無制限の新ルールとなった本塁打競争では日本ハム・中田、オリックス・吉田正を破り、１４日の決勝進出を決めた。ファンへ夢を与えるプレーを見せた筒香。偉大な背中に、また少し近づいた。