呉・中田、中村監督の悲願導く 投手歴1年半の剛腕

 昨春のセンバツで創部10年目で初の甲子園出場を果たした呉。今年は成長著しい本格派右腕・中田光稀投手(3年)がチームを引っ張る。中村信彦監督(63)は春こそ尾道商時代を含め計4回の甲子園出場があるが、夏はゼロ。創部から率いる名将の悲願を、投手経験1年半の剛腕がかなえてみせる。全国高校野球選手権広島大会は7日に開幕する。

 呉が誇る剛腕・中田は77人の部員の中でも存在感が際立っている。179センチの長身から豪快に投げ下ろすフォームは、キャッチボールから目を引く。見た目通りの直球勝負が身上だが、そのキャリアはまだ1年半ほどと浅い。

 投手になったのは16年秋。もともとは捕手として入部したが、同学年に軸となれる投手がいなかったこともあり、強肩を買われてマウンドに立つことになった。

 中田自身が「一番自信がある」と胸を張る直球は、計測したことはないものの「130キロ台後半くらい」というスピード。昨年のエース・池田吏輝投手から教わったスライダーやチェンジアップ、そこにカーブとスプリットを加えた4種類の変化球を持つ。

 本格化してきたのは春の県大会の後。「下半身を使って投げることを覚えて、コントロールが良くなってきました」という右腕を、中村監督も「だいぶ雰囲気が出てきた。不器用な力投型だけど、変化球が良くなった」と目を細める。練習試合では完投も経験。技巧派右腕の沼田仁投手(2年)との二本柱ではあるが、夏本番を前にした成長ぶりはチームにとっても大きい。

 昨年はセンバツに出場したが、夏は3回戦で広島商に敗れた。「中村先生がまだ夏は甲子園に行ったことがないので、絶対に連れて行きたい」と中田は目を輝かせる。07年の創部から10年ほどで強豪校へ導いた中村監督は春こそ通算4回の甲子園出場があるが、夏はいまだ経験なし。そんな名将の悲願実現へ、伸び代たっぷりのエースが剛腕を振る。

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