日本ハム・清宮へ 早実先輩荒木2軍監督が伝えたい思い

 日本ハム・清宮幸太郎
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 限局性腹膜炎のため2軍で調整している日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)が、早稲田実業高校の先輩、荒木大輔2軍監督(53)のもとで、“人間教育”を受けている。清宮と同じく甲子園のスターとして脚光を浴びた荒木監督は「2軍を経験しないといい選手になれない」と言う。昭和の甲子園の星が後輩の清宮に伝えたい思いとは。

 今までの1軍帯同時にはなかった光景だった。4月上旬の鎌ケ谷2軍施設での練習中、清宮が打撃ケージを設置し、打撃練習後はチームメートとともにボール拾いを行っていた。ノックを受けた後は丁寧にとんぼをかけ、グラウンドを整備。リハビリと並行しながら裏方仕事も行うことが日課になっている。

 3月31日にはリハビリメニューをこなした後、2軍戦で初めてベンチ入りした。試合中はベンチから大きな声を出し、先輩選手の世話をしていた。出場予定はなかったが、チームのしきたりを勉強させるための狙いだった。発案した荒木2軍監督は「プロ1年生が、リハビリだけで帰っていいわけない。ベテラン選手じゃないんだから」と明かした。

 積極的に裏方仕事をさせるのは明確な理由がある。高校通算111本塁打を放った清宮は、自分と似たような境遇をたどっている。同じ早実出身の荒木監督は高校時代、甲子園で大ちゃんフィーバーを起こした。高校時代から多くの後援者のサポートを受け、野球に関して不自由しなかった。だが、プロに入り1年目の2軍暮らしは戸惑いの連続だったという。

 ヤクルトの寮では電話番、先輩のユニホームの洗濯もした。現在の球界ではさすがにそこまではしないが「一つ一つの気づかい、気配りが身についた。2軍を経験しないと分からないことはたくさんある。1軍では何でも裏方さんがやってくれる。先輩への心配りも大事なこと」と振り返る。雑用も大切な仕事だとこなし、先輩選手への振る舞いが自身を成長させていった。清宮にもそういう選手になってほしいと願う。

 当の清宮も「いい期間が過ごせている。一社会人として」と日々勉強と受け入れる。開幕1軍だったら、何不自由なく野球に集中できただろう。だが将来、日本ハムの看板打者、リーダーになるために2軍スタートは決して回り道ではないと思う。

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