彦根東・川嶋清太内野手 妹に“追いついた”春 夏はかっこいい姿を

 「選抜高校野球・3回戦、花巻東1-0彦根東」(31日、甲子園球場)

 妹に遅れること2年、彦根東(滋賀)の川嶋清太内野手(2年)にとって初の甲子園は2試合無安打で幕を閉じた。

 まさか先を越されるとは思わなかった。妹・あかりさん(11)が16年のセンバツ始球式に応募すると当選。1回戦の明石商-日南学園戦でワンバウンドながら堂々とホームベース上に投げ込んだ姿をアルプスから眺めていた。「私も行ったんだから」と得意げな妹にハッパをかけられた。

 互いに刺激を受け合う存在だ。“野球少女”のあかりさん。地元の野球チーム「武佐イーグルス」で投手兼遊撃手として活躍している。兄から見ても「うまい」と舌を巻くほどの実力。川嶋が中学生のころまではキャッチボールなどで一緒に練習することもあり、今でも野球についてアドバイスを求められれば答えている。

 2回戦・慶応戦ではアルプスから声援を受けるも、快音を響かせられなかった。「『かっこよかった』と言ってもらえたんですけど…」。兄として納得していなかった。この日は、あかりさんも試合があって観戦できず。勝利して再び応援に来てもらおうと懸命に戦ったが、あと一歩届かなかった。

 大舞台でのプレーに「周りを見渡すことができなかった」と精いっぱいだった。夏こそ妹の目の前で、かっこいい姿を見せる。

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