「オープン戦、巨人２－２楽天」（２４日、東京ドーム）

　“万能２番”としての存在感を際立たせた。巨人・吉川尚が千金同点弾を含むオープン戦自身初の３安打。巧打あり、長打あり、盗塁あり。持ち味を十二分に発揮し「去年は何もできなかったので結果にこだわってやっているし、一日一日を無駄にしないようにやってきた」と言葉に力を込めた。

　最大の見せ場は２点ビハインドの六回２死一塁の第３打席。チームが打ちあぐねていた美馬からファウルで粘り、高く入った９球目を右翼席にたたき込んだ。「（昨年の）秋から振り込んできているので、少しはボールが飛ぶようになっているのかなと思う」。スピードだけではなく、身についてきたパワーに手応えをにじませた。

　オープン戦はすべて先発出場。打率を３割に乗せ、開幕スタメンは目前だ。近年、なかなか埋まらなかった「２番・二塁」のピース。高橋監督は「その（埋める）可能性はある選手だと思いますね」とうなずいた。２年目を迎えた２３歳が、チームに新風を吹き込もうとしている。