細川、完投 明秀学園日立を聖地初星へ導いた 兄はDeNA・成也

 「選抜高校野球・1回戦、明秀学園日立4-3瀬戸内」(23日、甲子園球場)

 開会式と1回戦3試合が行われ、春夏通じて初出場の明秀学園日立は土壇場の九回に逆転し、聖地初白星を飾った。今秋ドラフト候補で、DeNA・細川成也を兄に持つ最速144キロ右腕・細川拓哉投手(3年)が、142球完投でリードを守り抜いた。金沢成奉監督(51)は光星学院(青森)を含めて自身5度目のセンバツで春初勝利。2回戦は高知と対戦する。

 達成感が、142球を投げた疲労を勝った。「勝てて安心した」。初の聖地で初勝利。細川は念願の1勝をつかむと、仲間に駆け寄って目尻を下げた。

 序盤は苦しんだ。兄・成也から15日に「楽しむ方がいい結果が出るよ」とLINEをもらっていたが、「想像以上に緊張した」。初回は押し出し四球で先制を許し、三回は味方が適時失策を犯した。

 「自分でモチベーションを下げていた」。自分を見失いかけていた時、金沢監督の言葉で目が覚めた。「とにかく腕を振れ!!」。ベンチにいる時だけではなく、マウンド上にいる時でも聞こえてくるゲキに、投球で応えた。

 五回以降は内野安打3本。この日の最速141キロの直球を主体に攻めた。九回に逆転すると、「最終回は絶対に抑えようと気持ちが高ぶった」。九回2死三塁は、1試合4発男・門叶を高めの直球で二飛に仕留めた。

 金沢監督にとっては、念願の春初勝利となった。同監督は95~09年まで光星学院の監督を務め、センバツは4度出場して4敗だった。10~12年の総監督時代を含めて坂本勇(巨人)、北條(阪神)らを育てた実績を持つ指揮官は「校歌を歌えて感無量でした。『明秀の金沢』として、ようやく一歩進んだかな」と声をはずませた。

 細川も「(監督の春0勝は)知っていた。打線も気合が入っていたし、諦めずにやったから、勝ちをもらえたと思う」と笑顔。苦しみながらつかんだ1勝は、忘れられない思い出となった。

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