「ＯＢ戦、巨人１１－３ホークス」（１０日、ＫＩＲＩＳＨＩＭＡサンマリンスタジアム宮崎）

　Ｖ９時代と同じデザインのユニホームを身にまとい、世界の本塁打王が打席に立った。ソフトバンク・王貞治会長（７７）が巨人ＯＢの「４番・ＤＨ」で先発出場し、往年の一本足打法で観客を沸かせた。

　初回、３番・松井の出塁でいきなり出番が回ってきた。ソフトバンク・工藤監督との“師弟対決”。「振るだけは持ち味でしたから」と７７歳らしからぬ力強いスイングを披露。プールで水中ウオーキングに励むなど、この日のために準備してきた。結果は空振り三振に倒れたものの、背番号「１」の勇姿がグラウンドに映えた。

　１６年に行われた台湾ＯＢ選抜とのチャリティー試合以来となる巨人のユニホーム。現在はソフトバンクに属するが「ジャイアンツのユニホームは心の中に染みこんでいるから」と特別な思いを抱く。勝ち負けよりも、かつての戦闘服の着心地を懐かしんだ。

　「久しぶりにバットを持って（バッター）ボックスに入ると気持ちがいいものですよ」と納得の表情。王会長にとっても、現役時代を思い出す一打席となった。