名将・星野の原点は扶沙子夫人 「名古屋を動いてはなりません」

 楽天・星野仙一球団副会長が、4日午前5時25分に膵臓(すいぞう)がんで死去していたことが6日、球団から発表された。70歳だった。

 星野氏は97年に最愛の扶沙子夫人を白血病で失った。同年2月2日の告別式でのこと。「すばらしい妻でした。今思えば、扶沙子の手のひらで一生懸命頑張ったような気がします」とあいさつすると、こらえ切れず涙があふれ出た。

 東京での生活が長く続いた評論家時代。「東京で一緒に暮らそう」という星野氏に、「いいえ、あなたは名古屋で育ちました。中日ファンにここまで大きくしてもらいました。決して名古屋を動いてはなりません」と諭したのが扶沙子夫人だったという。

 星野氏を、常に陰で支えた愛妻の初めての抵抗。それが名将・星野のスタート点でもあった。

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