DeNA・筒香 お目覚め弾から逆転3連勝 日本シリーズ進出へ王手「勝つだけ」

 「セCSファイナルS・第4戦、広島3-4DeNA」(23日、マツダスタジアム)

 3位から勝ち上がったDeNAが広島に逆転勝ちで3連勝を飾り、1位チームに与えられるアドバンテージを含む通算成績を3勝2敗とした。0-3の四回に筒香嘉智外野手(25)の本塁打で1点を返し、五回に3点を奪い逆転。アレックス・ラミレス監督(43)の継投策もさえた。DeNAは24日の第5戦に勝てば19年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。

 眠っていた4番が、やっとお目覚めだ。流れを呼び込む価値ある一発。筒香が今年のCS7試合目で1本目のアーチをかっ飛ばし、チームを逆転勝ちに導いた。

 0-3の四回。2ボールから薮田の142キロ直球を豪快に振り抜き左翼席に運ぶソロ。「甘く来たら強くスイングしようと決めていました」と、CSファイナルSでは2度目の出場で初めて打った本塁打を自画自賛した。

 「あの状況だとホームランで流れが変わりやすい」。CSファイナルSで不振に陥っていた男が、流れを冷静に読んで放ったアーチだ。その言葉通り、2点を追う五回に野手陣が奮起。3点を奪って逆転に成功した。投手陣も踏ん張っての勝利に、主将は「みんなでカバーしながらできたと思います」と分厚い胸を張った。

 「4番が結果を出せば勝てるチャンスが増える」とラミレス監督。認めているのはその打棒だけではない。常々、筒香のリーダーシップが「向上した」と高く評価する。キャプテンとはLINEで連絡を取り合い、いつもチームについて話し合っている指揮官。「まとめる役として今年は大人になった」と目を細める。

 相手も球場も今年と同じ昨年のCSファイナルSでは、打率・063、0本塁打と大ブレーキだった筒香。チームも1勝しただけで敗退した。だが主砲は「去年は去年」と振り返ることはない。「今年は横浜スタジアムに帰ることを目標に、日本シリーズで日本一になるということをやってきた。誰もがここで負けるとは思っていない」と確かな自信を口にした。

 セのCSファイナルSでリーグ3位チームが王手をかけたのは初。「あと1試合、勝つだけです」と筒香。19年ぶりの日本シリーズ出場へ、チーム一丸で戦うだけだ。

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