ドラフト候補の慶大・岩見 年間最多更新12発 歴代通算最多まであと2本
「東京六大学野球、慶大7-2立大」(17日、神宮球場)
慶大が連勝で勝ち点3とし、勝率で首位に立った。ドラフト候補の岩見雅紀外野手(4年・比叡山)が、初回に2試合ぶりとなる先制2ラン。年間12本塁打とし、94年の慶大・丸山泰令と並んでいた最多記録を更新した。シーズン7本塁打は、04年秋の法大・田中彰(元広島)の持つ最多記録に並んだ。法大は連勝で勝ち点2。毛利元哉外野手(2年・愛工大名電)が決勝ソロを放った。
史上初の5戦連発に続き、岩見がまた一つ、歴史を塗り替えた。年間12発目のメモリアルアーチは、中堅バックスクリーンの上で弾む推定130メートル弾。飛ばし屋にふさわしい一撃で新記録を打ち立て「光栄に思います」と白い歯がこぼれた。
初回2死三塁。打席に入る直前「バットを振って(感触は)悪くないかなと。変化球を拾えるんじゃないかな」と感じていた。追い込まれてから捉えたのは、まさにイメージ通りの126キロの外角低めスライダー。4番として価値ある先制点をもたらし、三塁を回るとグッと拳を握った。
通算21本塁打は単独3位。阪神など7球団のスカウト陣の前で、歴代最多23発の慶大・高橋由伸(現巨人監督)まであと2本に迫った。中日・中田スカウト部長は「当たれば間違いなくいく。40発以上打てる可能性がある選手」とうなった。
七回には中前打でダメ押し点をお膳立て。アーチより少ない今季3本目の単打に、岩見は「久々に普通のヒットが出た。あっちの方がうれしい」と苦笑した。高校までは、父と同じ消防士になることが夢だった“規格外の大砲”。残る早慶戦でさらなる記録更新の期待もかかるが「終わった時にどうなっているのか楽しみ。人ごとみたいに見てます」と意に介さない。「優勝するために打てれば」と悲願だけを見据えて、バットを振る。




