巨人・阿部、2000安打達成 「掛布も左だから」で誕生した大打者

 「広島4-1巨人」(13日、マツダスタジアム)

 巨人の阿部慎之助内野手(38)が13日、マツダスタジアムで行われた広島戦の九回に今村猛投手から右前打を放ち、史上49人目となる通算2000安打を達成した。巨人の生え抜きでは川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、柴田勲に続いて5人目で、その中で大学卒は長嶋以来、2人目という偉業をプロ入り17年目で成し遂げた。

 野球への思いのように、真っすぐに打球は右前へ運ばれた。九回1死走者なしで迎えた4打席目。今村の内角低めフォークに反応し、2000安打目を決めた。坂本勇、広島・新井から花束を受け取ると、何度もスタンドに頭を下げる。両軍ファンからは大きな「慎之助」コールが送られた。

 「皆さん(次カードからの)東京になると思ってたと思いますけど、本当に打ててホッとしてます」

 球団生え抜きで37年ぶり5人目の偉業。野球人として、父・東司さんの習志野高時代の同級生・掛布雅之氏(現阪神2軍監督)から受けた影響は大きかった。幼少期から阪神ファン。小学校低学年時には、右から左打ちに転向した。「突発的に右目が悪くなって。『掛布も左だから左で打ってみるか?』って」。父の進言で「左打者・阿部」が誕生した。

 たゆまぬ努力で進化した。掛布氏が練習の虫だった話を幼少時から聞いて育ってきた。バッティングセンターや自宅敷地内でのティー打撃…。ひたすらバットを振った。高校入学直前には180球×10セットのティー打撃を行い「スイングが変わらない。こいつすごいなって思った」と東司さん。気付けば「僕を一番長く見ているコーチ」(阿部)の父をうならせるほどの打撃が身に付いていた。

 大きな転機は14年秋。慢性的な首痛など満身創痍(そうい)で捕手から一塁に転向した。「そのまま続けてれば辞めてたかもしれない」と現役を続けるための決断だった。大記録へ残り83本で迎えた今季も6月中旬に右膝を負傷し12日間離脱。あらゆる壁をはねのけ、達成にこぎ着けた。

 節目を飾れど、歩みを止めるつもりはない。「次は2500本を目指してやっていきたい」。大記録をも通過点に、貪欲に安打を求めていく。

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