二松学舎大付・市川、投打に大活躍 ピッチャー返しを右足で止める“足技”も

 「全国高校野球選手権・2回戦、二松学舎大付14-2明桜」(13日、甲子園球場)

 二松学舎大付(東東京)は、エース・市川睦投手(3年)の投打にわたる活躍で明桜(秋田)を破った。エースの気合が“足技”に現れた。六回、1点を返されてなお1死二、三塁の場面。痛烈なピッチャー返しを、二松学舎大付・市川はとっさに出した右足で止めた。

 足元のボールを冷静に本塁へ送り、三走はタッチアウト。「痛くはなかった。同点のイメージで、気持ちを変えずにいきました」。流れをしっかり食い止め、8回1失点にまとめた。

 今春東京大会で日大三にコールド負けし、一念発起。体重8キロ増の肉体改造に成功し、強気な男に生まれ変わった。理想は1年先輩の大江(現巨人)。内角をガンガン突く姿に憧れた。今年に入ってからも「強い心を持たないとダメだぞ」と激励されていた。打撃でも大江が差し入れしてくれた手袋を使い、二回の中越え適時三塁打を含む4安打。「自信を持っていけた」と強気に大暴れした。

 父が市原勝人監督(52)の知り合いで、小学校時代から頻繁に試合を観戦していた左腕。指揮官に手紙を送っていた少年は、聖地でチームを勝利に導くエースに成長し「監督さんを胴上げする」と宣言した。

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