彦根東、一夜限り勉強禁止 聖地初勝利に秀才軍団野球モード

 台風5号の影響で全国高校野球選手権の開幕が1日延期され、7日は出場各校が各地の室内練習場や宿舎で調整を行った。8日の開会式直後に登場する滋賀県屈指の進学校・彦根東は、午前中に京都府長岡京市の乙訓高室内練習場で波佐見(長崎)戦に向けて練習。村中隆之監督は(49)は、部員へ一夜限りの“勉強禁止令”を出し、野球に集中するよう指示した。

 室内練習場での打撃練習では快音が響いた。リラックスムードで、開幕が1日ずれた影響は感じさせなかった。だが、村中監督には心配事があった。

 「みんなほっておいても勉強するので…」。彦根東は県内屈指の進学校。野球部員は平日は午前7時から1時間、朝練ではなく“朝勉”をする習慣があるほど。今大会も宿舎入りしてからも、机に向かう選手が多い。

 「何事も集中力が大切。今は野球に集中する環境をつくるために、今日の夜だけは『勉強するな』と言います」と村中監督。8日の開幕・波佐見戦では、春夏通じて同校の甲子園初勝利がかかる。選手に力を出し切ってもらうための“勉強禁止令”だ。

 先発が有力視される京大志望の左腕・増居翔太投手(2年)は、キャッチボールで調整。「いい舞台で野球をやらせてもらえるので、悔いが残らない試合をできれば。早く試合がしたい」と野球モードに切り替えた。秀才軍団は、勝利のために頭をフル回転させる。

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