早実・清宮106号 公式戦8戦連発で8強 高校通算史上最多へあと1本

 「高校野球西東京大会・5回戦、早実5-0法政」(21日、神宮球場)

 西東京大会では、第1シードの早実が快勝して3年連続で準々決勝に進んだ。怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(3年)は、公式戦8試合連続本塁打となる高校通算106号の先制ソロなど、3安打3打点。史上最多とされる山本大貴(神港学園)の107本にあと1本に迫った。第2シードの日大三は逆転勝ちで17年連続の8強入り。ドラフト候補左腕の桜井周斗投手(3年)が4回2/3を無失点の好救援を見せた。

 この男を止めるすべはないのか。舞い上がった白球を見上げて捕球体勢に入ったかに見えた中堅手が、じりじりと下がる。フェンスに付いたその頭上を、ボールはゆっくりと越えていった。清宮が放った衝撃の一発に、5000人の観衆も思わずどよめいた。

 「ちょっと、こすっちゃったので『あ~、アウトか』って思ったんですけど。風もあったのかな」。三回無死から内寄りの94キロを捉えた中堅右への先制ソロ。半信半疑の当たりがアーチとなり、思わず顔もほころんだ。

 春の東京大会準々決勝から公式戦8戦連発。小学校時代までさかのぼっても「ないと思います」という離れ業だ。その間、33打数16安打24打点という驚異的な数字に「波はありながら、試合に合わせることはできている」とうなずいた。

 入浴時は水風呂も利用するなど、コンディション維持に気を配る。鍼(はり)やマッサージを受けることもあるが「昨日はマッサージチェアです。気持ちよかった」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 スカウト陣は技術の高さに舌を巻いた。「柔らかく、インパクトの瞬間に力を入れてスピンをかける。今までの日本の高校生にいないタイプ」と阪神・畑山チーフスカウト。西武・鈴木球団本部長は「左手の押し込みが強いから打球が上がる。右投げ左打ちだと、松井(秀喜氏)ぐらいかな」と話した。

 五回には走塁ミスもあった。二塁打で好機を拡大しながら1死後、中飛で飛び出して併殺に。それでも「ちょっと走り過ぎちゃった。申し訳なかった」と反省しつつ、次の円陣では「アウトカウントは間違えないようにしよう!」と自らネタにして、切り替えられる明るさがある。

 高校通算最多本塁打にも、あと1本で並ぶ。もっとも、清宮は「変わらず、勝ち優先でいきたい」と記録の重圧とは無縁だ。見据えるのは、2年ぶりの夏切符のみ。残り3つとなった壁を越えるべく、アーチをかけ続ける。

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