興国・中野“中田超え”逃すも大器の片りん フェン直三塁打で5戦連発ならず
「春季高校野球大阪大会・5回戦、上宮太子3-1興国」(4日、舞洲ベースボールスタジアム)
ひと冬を越えて急成長した興国のスラッガーが、才能の片りんを見せた。大阪大会で大阪桐蔭・中田翔(現日本ハム)に並ぶ4戦連発の計5本塁打を放っていた4番・中野翔哉内野手(3年)が、上宮太子の好投手・森田輝投手(3年)からフェンス直撃の三塁打。“中田超え”は逃したが、夏は大会屈指のスラッガーとして注目を集めそうな活躍を見せた。
四回無死。直球を捉えて、左翼へ緩やかな放物線を描いた。飛球は失速せずに、両翼100メートルのフェンス最上部を直撃。惜しくも三塁打となったが、今後の成長に期待が膨らむ力強い弾道だった。
身長177センチ、93キロ。どっしりした体格から、快音を連発してきた。1回戦・浪速戦は、満塁本塁打とサヨナラのソロ。2回戦・桜塚戦は2ラン。3回戦・大冠戦もソロを放ち、4回戦・花園戦では今大会2本目の満塁本塁打。5回戦・上宮太子戦で5戦連発は放てなかったが、圧巻のパフォーマンスを見せてきた。
昨年6月には東邦(愛知)のエース・藤嶋健人(現中日)から弾丸ライナーで本塁打を放つなど素質はあった。だが、昨秋までは高校通算4本塁打。恵まれた体に技術が追いついていなかった。
昨秋以降は体力強化よりも、スイングに重点を置いた。「とにかく振ってきた」。技術が伴ってきたことで、今年3月の練習試合解禁以降に7本塁打。田中英樹監督が「打つべき球を見逃していたけど、打てるようになってきた。長打力が開花してきたと思う。“興国の清宮”ですよ」と冗舌に話すほどの成長を見せている。
同校には智弁和歌山を退任し、4月から部長に就任した元ロッテ・喜多隆志氏がいる。元プロ野球選手の技術も吸収し、さらなる成長を目指す。