１１日の広島戦に先発する巨人・菅野智之投手（２７）が１０日、挑戦者の気持ちで“鯉倒”に臨む決意を示した。昨季のリーグ覇者を、１ゲーム差で追う立場で迎える首位攻防戦。この日は川崎市のジャイアンツ球場で最終調整を行い、「自分たちはチャレンジャーなので、しっかりぶつかっていけたら」と言葉に力を込めた。

　広島には昨季１７・５ゲーム差をつけられＶ逸。菅野自身も４試合で１勝２敗とリーグで唯一黒星が先行した相手だ。鯉打線は現在田中や丸ら上位に打率３割超の好調な打者がそろっているだけに「上位につなげられるとちょっと厄介なことになりそうなので、しっかり下位打線を抑えることが一番」と見据えた。

　広島の先発は同学年の野村。昨年は１度の対戦で勝敗はつかなかったが、大学時代に日本代表で共闘した昨季の最多勝投手に対し「彼も意識すると思いますし、自分も相手が野村ということで意識するところもある」と静かに闘志を燃やした。

　今季チームで完投は０。高橋監督は「（完投を）できる能力がある投手なんだから、できればして欲しい」と右腕に期待を込める。今季の東京ドーム初登板へ、「本拠地のマウンドは格別なので、いいところを見せられたら」と菅野。昨季の悔しさを胸に、赤ヘル軍団の勢いを止めてみせる。